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2019年11月20日 (水)

内定取り消し

Q 来年春の卒業予定で採用面接を受けました。内定が決まっていたのに突然「内定を取り消す」という連絡がきました。
どのように対応すればいいでしょうか。


A 原則として内定の法的性質は、「始期解約権留保付き」での労働契約の成立とされています。つまり会社の募集に対する労働者の応募は「契約締結の申込み」とされ、その申込みに対する会社からの内定通知は「承諾」となり、ここで条件つきで労働契約が成立したことになります。
なお、労働契約の申込み・ 承諾は、口頭でも成立するので、内定通知は必ずしも文書によりませんが、その取消しには制限があり、内定通知書や誓約書記載の取消事由に該当しても、そのすべてが認められることにはなりません。


*取消しが正当と認められる事由としては、
〇学校を卒業できなかった。必要な資格を取れなかった。

〇書類提出などに虚偽の記載があったり虚偽の事実を述べた場合

 (虚偽の内容が軽微であるときは、内定取り消しが認められない場合もある)

〇心身の病気その他の理由により勤務できないなど

内定の評価に質的な変更を生じた場合に限られるべきとされています。
内定取消しについては、「内定当時知ることができず、また知ることが期待できない事実で
あって、これを理由として内定を取り消すことが解約権保留の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当と是認することができる
」ものとされています。

ワンポイントアドバイス!

・採用内定の証拠類(内定通知・誓約書の控えなど)を保存し、特に電話による連絡事項などは記録(内容・相手・日時など)しておく必要があります。 

・内定取消しの事由について、具体的説明と文書での回答を求める。

・就労(契約の履行)を求めるほか、採用延期の場合には入社までの研修期間、待機期間などについて確認する。やむをえず取消しを承認する場合はどうなるのか会社から確約をもらうこと。