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2021年11月24日 (水)

職場の温湿度管理について

Q 新型コロナウイルス感染症対策として、事務所の窓が全開で、寒くて仕事に集中できません。衣服を調整したり、ひざ掛けを使用したりしていますが、手足がかじかんでうまく動かせず、コロナを予防できたとしても体調を崩しそうです。こうした環境については問題はありませんか。


A デスクワークが仕事となっている人は、ずっと部屋の中で作業をすることになるので、室温は体調管理を行う上での大切なポイントになります。
温度や湿度を含む職場の快適な空間作りのルールは、基準が設けられており、事業者には適切な温湿度管理が求められます。職場の安全衛生の担当者や安全衛生委員会に改善を求めてみましょう。


○使用者には労働者に対し、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする義務(安全配慮義務)があります。(労働契約法第5条)
また、事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、作業環境を快適な状態に維持管理するための措置を継続的かつ計画的に講ずることにより、快適な職場環境を形成するように努めなければなりません。(労働安全衛生法第71条の2第1項)

湿度や温度を直接定めた規定ではありませんが、極端に寒い、あるいは暑い職場で従業員が体調を崩した場合、使用者が安全配慮義務違反に問われる可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症対策を講じることも使用者の責務です。この対策が不十分な場合にも使用者は安全配慮義務違反に問われる可能性があります。

○労働者が働く事務所(建物・施設)についての衛生基準が労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則及び事務所衛生基準規則で事務所の室温・湿度について基準が定められています。

【暖房】
室の気温が10度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。
もし室温が10度以下になっているときは、適切な室温に戻すため、ストーブや暖房をつけるなど対策を心がけていかなければなりません。あまりに寒い環境は仕事の効率を下げるだけでなく、体調不良の原因にもなります。もし10度以下でもそのような措置がなされていない場合は法律違反とみなされる場合があり、法人と代表者に6カ月以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

【冷房】
室を冷房する場合は、当該室の気温を外気温より著しく低くしてはならない。
ただし、電子計算機といった機械を設置している部屋(サーバールーム等)においては、保温のための作業着を着させている限りOKとなっています。

【室温・湿度】
空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17℃以上28℃以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない。
ただし、店舗や工場においては、事務作業や電話対応などを行う部屋のみに適用され、商品の製造販売などを行うスペースは適用外となります。


flairポイント!
コロナ対策を講じながら、快適な職場環境を労使で考えていく必要があります。室温変化を抑えられる窓開け換気の方法を提案するなど、まずは職場内で話し合いをしましょう。会社に改善を求めても、対応しない場合は、労働基準監督署へ相談に行くことをおすすめします。


―参考― 
厚生労働省HP 『感染拡大防止と医療提供体制の整備』 クラスター対策

・冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について
https://www.mhlw.go.jp/content/000698866.pdf

・冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法(リーフレット) https://www.mhlw.go.jp/content/000698868.pdf

※世界保健機関(WHO)等は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためと一般住民の健康を維持するために、バランスのとれたものとして、室内温度の下限値を18℃、相対湿度の下限値を40%とすることを推奨しています。