罰金や違約金を定めた労働契約はできるか?
Q バイトの面接時、店長に「もし遅刻をした時は、罰金5,000円を払ってもらう。」と言われました。
そうなった時は、支払わないといけないでしょうか。
A 労働契約を結ぶ際、実害とは無関係に、「もし、~なら〇万円賠償させる」などと、違約金・損害賠償額の予定をあらかじめ定めることは労働基準法(第16条)で禁止されています。
労働契約の禁止事項には
①違約金・損害賠償額の予定 (労基法16条)
②前借金と賃金の相殺(労基法17条)
③強制貯金(労基法18条) があります。
①については、労働者本人だけでなく、親権者や身元保証人に損害賠償を負担させることも禁止されています。
その他にも
・一年以内に退職したら罰金10万円
・会社に損害を与えたら20万円支払うこと なども違法です。
ただし、現実に労働者の責任により発生した損害についての賠償を請求することまで禁止したものではないので、実害について弁償費用を請求される場合もあります。
(弁償費用については2018年9月みなくる通信Q&Aを参考にしてください。)
また、賃金は、労働の対価と支払われるものですので、欠勤・遅刻・早退の就労していない部分について、使用者に賃金の支払い義務はありません。遅刻した時間分の賃金がカットされた場合は、やむをえないと言えます。
不当な請求をされたら、早めに専門家へご相談ください。