退職給付金とは
Q 今後、自己都合退職しようと思っています。次の就職先を決めておらず、当面の生活費が心配です。SNSで調べると、「退職給付金」という制度があり、その受給を手助けしてくれるサービスを見つけました。サービスの利用料金は様々でしたが、自分で手続きするよりも数百万円も多く受給できると記載されていました。読み進めていくと、会社や医師との受け答えのポイントを教えるとか、不正受給にはあたらないという記載もあり、口コミも高評価でした。自己都合退職でも正当に数百万円も受給できることを信じてもよいのでしょうか。
A SNS上では、退職に伴い社会保険制度から給付を受けることができる「失業給付(基本手当)」「再就職手当」「教育訓練給付」「傷病手当金」などを総称して「退職給付金」と用いているサイトもあります。この「退職給付金」という言葉は、法律で定義された名称ではありません。これらの給付金を受給するには、定められた条件を満たす必要があり、手続きをする人によって受給額が変わることはありません。体調不良や手続きが難しいという理由で、有償のサービス利用を検討される場合は、サービスの内容を十分に確認したうえで利用しましょう。「誰でも数百万円も受給できる」とか、「先ずは病院で指示通りの受け答えをして診断書をもらう」、「退職給付金が必ず28ヵ月分もらえる」などの記載がある場合は、制度を悪用したサービスの可能性があるので注意が必要です。
【退職した後で受け取れる主な給付金】
退職後の生活の安定や再就職支援を目的とした主な給付金の種類と支給条件は以下のとおりです。
SNS上の「退職後の給付金が最大28ケ月分受給できる」は、傷病手当金+失業給付を合算することで理論上は可能ですが、誰もが該当するものではなく、協会けんぽやハローワークが受給条件を満たしたと認めた場合に限ります。また、「病院や会社への受け答えの指示」に従うことにより、事実とは異なる申請を行った場合は、不正受給と判断される可能性があります。
【誤った給付金の申請をしないための対策】
・すべての方に一律に高額な給付がされる制度はありません。適切な給付金を活用する為に、情報をうのみにせず、具体的な給付金名や内容を確認しましょう。
・ご自身の現在の状況に応じた給付金の種類について全国健康保険協会(協会けんぽ)やハローワークなどの公的機関に直接相談しましょう。
・給付金受給のサポート事業者と契約する前に、クーリングオフ制度や返金条件を確認しましょう。