年次有給休暇と皆勤手当について
Q 私が勤めるお店では、有給休暇を取ると、その月の皆勤手当が貰えなくなります。
このような取扱いをすることは、問題ないのでしょうか。
A 年次有給休暇(年休)とは、労働者を休日以外に労働から解放し、心身の休養がとれるよう法律が保障した休暇制度です。休暇を取得しても出勤として取り扱うこと(有給)により、休暇の取得を促進するのが法の趣旨です。
年次有給休暇を取得したことを理由に皆勤手当を支払わないとすることは、法律の趣旨に反します。
【年次有給休暇の付与に関するルール】
①年次有給休暇を与えるタイミング
年次有給休暇は、労働者が請求する時季に与えることとされており、その使用目的も使用者の関知するところではありません。
ただし、労働者が請求した時季が事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者は他の時季にこれを与えることができます。(時季変更権)
②年次有給休暇の繰越し
年次有給休暇の請求権の時効は基準日(権利発生)から起算して2年であり、前年度に取得されなかった年次有給休暇は翌年度に与える必要があります。
③不利益取扱いの禁止
使用者は、有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。(労働基準法第136条)
賃金の減額その他の不利益な取扱いには、精皆勤手当や賞与の算定に当たって、年休を取得した日を欠勤、又は欠勤に準じて取り扱うことのほか、年休の取得を抑制するすべての不利益な取扱いが含まれます。
年5日の年次有給休暇の確実な取得(2019年4月施行)
使用者は、年10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対して、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させなければなりません。(参考⇒2019年1月みなくる通信Q&A)
これに違反した場合には罰則(一人につき30万円以下の罰金)の対象となります。