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2022年5月 2日 (月)

保育所への送迎と通勤災害

Q 共稼ぎのため、子どもを通常の通勤経路から少し離れた場所にある保育所に預けています。出勤途中に保育所に子どもを預けた後、会社に向かう途中で交通事故に遭いました。これは労災保険の通勤災害の対象となりますか。


A 子どもを保育所に預けるためにとる通勤経路は、被災者が共稼ぎで、かつ、一般的に用いられる交通手段(明らかに合理性を欠く方法を除く)による場合、経路全体が「合理的な経路及び方法」とみなされ、「通勤災害」として認められる可能性が高いと考えられます。


通勤災害とは「労働者の通勤による負傷、疾病、傷害又は死亡」を言います。

また、通勤とは、「労働者が就業に関し、住居と就業の場所との間を合理的な経路及び方法により往復すること」とされています。通勤を中断したり、通勤経路から逸脱したりすると、その後の移動は、原則として通勤とは認められません(労災保険法第7条第3項)。しかし、その中断、逸脱が日常生活上必要な行為のうち、厚生労働省令で定めるやむを得ない事由により行う最小限度のものである場合にはその間を除き、その後の往復は通勤となります。(例:日用品の購入など)

今回のように、子どもを保育所へ預けるためにとる経路については、別途行政解釈(平20.4.1基発第0401042号)において、「他に子どもを監護する者がいない共稼ぎ労働者が託児所、親戚等に預けるためにとる経路は、合理的な経路と認められる」とされており、特段の理由もなく著しく遠回りとなるような場合でない限り、その経路全体が「合理的な経路」とみなされると考えられます。

「会社へ届け出ている通勤経路以外での事故は通勤災害とならない」と理解されている方がおられるかも知れませんが、要件を満たし、「合理的な経路および方法」と認定されれば通勤災害となり得ます。


flairポイント!

労災の認定は労働基準監督署が行うものなので、先ずは会社へ手続きを依頼してみましょう。