« 出前セミナーに行きました(鳥取県立鳥取緑風高校) | メイン | 県立倉吉ハローワークでパネル展をしています »

2022年7月 4日 (月)

選挙と労働時間の取り扱い

Q 選挙の投票に行きたいのですが仕事が入っています。仕事中に選挙に行きたいのですがどのような権利が補償されているのでしょうか?


A 使用者は、労働者が労働時間中に選挙権や被選挙権など「公民としての権利」を行使し、または国会議員や裁判員としての職務など「公の職務」を執行するために必要な時間を請求した場合においては、それを拒んではならない(労働基準法第7条)となっています。


(公民としての権利)

・選挙権
・被選挙権
・最高裁判所裁判官の国民審査
・行政事件訴訟法に規定する民衆訴訟
・公職選挙法に規定する選挙または当選の効力に関する訴訟 など

 

(公の職務)

・衆議院議員その他の議員の職務
・労働委員会の委員の職務
・労働審判員の職務
・訴訟法上の証人としての出廷
・選挙立会人の職務
・裁判員の職務 など

 

【 公民権行使 】

選挙権、被選挙権の行使などに必要な時間を労働者が請求した場合は、使用者は拒むことができません。しかし、権利の行使または公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができるとも定められています。(労働基準法第7条)

 従業員が国会や地方議会の議員となった場合、労働委員会の委員となった場合、検察審査員、選挙立会人の職務に任じられた場合、裁判所に証人として出廷する場合なども、これに該当します。
権利行使・公の職務執行に支障がないときは、使用者は、請求された時刻の変更ができます。

なお、賃金については定めがありませんので、使用者に支払義務はありませんが、制度の趣旨からすると、賃金を失わずに権利行使ができるのが望ましいといえます。


 flairポイント! 

仕事を抜けた時間の賃金については労働基準法では特に決められていませんが、ノーワークノーペイの原則の考え方となります。就業規則などで賃金の支払の有無について確認して下さい。