Q 来月からアルバイトとして働くことになり、会社から健康診断を受けてくるように言われました。アルバイトでも健康診断を受けないといけないのでしょうか。また、費用負担は会社にしてもらえますか。
A 労働安全衛生法により、事業者には健康診断の実施が義務付けられているため、アルバイトであっても「“雇い入れ時”の健康診断の実施対象者」に該当する場合は、健康診断を受けなければなりません。(参考:厚労省健康診断チラシPDF)
なお、すでに雇い入れ前3か月以内に医師による健康診断を受けていて検査項目が重複する場合は、その検査項目の実施は省略できるとされていますので、該当する健康診断の結果がある場合は会社に提出しましょう。
費用については、法律上、事業者に健康診断の実施が義務付けられているため、当然に事業者が負担すべきとされています。
【健康診断の種類(抜粋)】
労働安全衛生法で、事業者に実施が義務付けられている主な健康診断と対象者は、次のとおりです。
一 般 の 健 康 診 断
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健康診断の種類
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実施対象となる労働者
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実施時期
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雇入時健康診断
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常時使用する労働者
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雇い入れ時
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定期健康診断
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常時使用する労働者
(特定業務従事者を除く)
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1年に1回
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特定業務従事者
健康診断
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特定業務※に常時
使用する労働者
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特定業務配置時
及び6月以内に1回
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※この他、有害業務に従事する労働者や海外派遣労働者を対象とした健康診断もあり、
それぞれ法令で定められています。
【実施対象となる労働者について】
パート等の短時間労働者
パート労働者等の短時間労働者が『常時使用する労働者』に該当するかどうかについては、次のとおりとされています。(平成19年10月1日基発第1001016号通達)
常時使用する労働者とは、次の(1)(2)のどちらも満たす場合とされています。
(1)・期間の定めのない契約により使用される者
・有期契約の労働者は、1年以上の雇用予定がある者及び更新により1年以上雇用されている者。
・特定業務従事者の雇入時健康診断は、6カ月以上の雇用予定があるか又は更新により6カ月以上雇用されている者。
(2)週の労働時間数が、通常の労働者(同事業場内の同種業務に従事する者)の4分の3以上である者
実施が望ましいとされている労働者
常時使用する労働者の要件の(1)のみに該当し、週の労働時間数が通常の労働者(同事業場内の同種業務に従事する者)の2分の1以上ある者は、実施が望ましいとされています。
派遣労働者(労働者派遣事業法に基づく者)
派遣労働者の一般健康診断は、派遣元の事業場で実施し、有害業務従事労働者の健康診断は派遣先の事業場で実施することとなります。
【健康診断の費用】
労働安全衛生法で事業者に実施が義務付けられている健康診断の費用は、当然に事業者負担とすべきとされています。
【健康診断受診に要した時間の取り扱い】
定期健康診断は、特に所定労働時間内に実施する義務はありませんが、労働者の健康の確保は事業の円滑な運営に不可欠であると考えると、できるだけ労働者の便宜をはかり所定労働時間内に行うことで賃金を支払うことが望ましいとされています。
一方、特殊健康診断は、所定労働時間内に行わなければならず時間外などに実施すれば、その時間についても割増賃金を支払う必要があります。
ポイント!
定期健康診断に要する時間は、労働時間として取り扱っている会社が多いようです。皆さんが働きやすい労働環境となるよう労使間でよく話し合ってみましょう!