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2024年2月28日 (水)

パートの社会保険加入の拡大

Q 私はパートで週20時間働いており、雇用保険には入っていましたが、社会保険(厚生年金と健康保険)には加入していませんでした。先日会社から、社会保険に入るよう言われましたが、主人の扶養の範囲内で働きたいのですが入らないといけないのでしょうか?


A 社会保険の被保険者の要件が拡大され、その要件を満たす労働者は加入しなければなりません。どのような働き方をすればいいのか、家族でよく考えて労働契約を結びましょう。


原則は、勤務時間・勤務日数が常勤雇用者の4分の3以上働く方が社会保険(厚生年金保険と健康保険)の加入対象ですが、従業員101人以上の企業又は100人以下の企業でも労使合意に基づき、下記の要件を満たす方にも対象が拡大されました(2024年10月からは51人以上の企業が対象)。

 
【短時間労働者(4分の3未満)加入要件】
以下の項目すべてに該当する方は、加入することになります。

① 週の所定労働時間が20時間以上であること(残業時間は含めない)
② 雇用期間が2か月以上見込まれること(更新の可能性がある方を含む)
③ 所定内賃金の月額が88,000円以上であること(通勤手当、残業代、賞与などは含めない)不明な場合は「時間給×1週間あたりの所定労働時間×52週÷12か月」で計算
④ 学生でないこと(ただし夜間、定時制の方は対象)
⑤ 従業員数(社会保険の対象となっている従業員数)が常時101人以上の企業又は100以下の場合は労使で合意が出来ていること。
⑥ 現在75歳未満であること(厚生年金は70歳未満の方)

【社会保険に加入するメリット
 ・将来もらえる年金が増える
 ・障害がある状態になった場合などに障害年金がもらえる
 ・私傷病や出産で休んでも、傷病手当金や出産手当金がもらえる
 ・会社も労働者とほぼ同額の保険料を負担する

社会保険に加入すると、保険料の負担が増えますが、これまでより手厚い保障を受けることができます。

【その他気をつけるポイント】

〇 年収130万円未満であっても、上の加入要件に当てはまる方は、社会保険の被扶養者とはならず、自身で社会保険に加入することになります。
〇 配偶者が勤務する会社から支給される扶養手当(家族手当等)の支給要件については、各会社によって違いますので、その会社にお問い合わせください。

社会保険の適用関係図5_2


【被保険者の取扱いに係る留意事項】

短時間労働者(4分の3未満)の標準報酬月額の算定に係る支払基礎日数の取扱い

短時間労働者の算定基礎届・月額変更届等における支払基礎日数は、
各月11日以上の勤務日数があるかどうかで判断します。

【もし新たに社会保険に加入する場合】

〇 厚生年金保険と健康保険の加入手続きは勤め先の会社が行いますが、現在、配偶者の健康保険の被扶養者の方は、資格喪失届を配偶者の会社を通じて行う必要がありますので、その旨を配偶者の会社に申し出て下さい。
〇 現在、国民健康保険に加入している方は、国民健康保険の資格喪失の届出を自分で行う必要があります。詳しくはお住まいの市町村にお尋ねください。


なお、この社会保険の加入基準を守らない事業主には、懲役刑または罰金刑とする罰則規定が適用されますのでご注意ください。