« 有給休暇の買取はしてもらえるのか? | メイン | 土曜開所日(2025年10月)のお知らせ »

2025年9月29日 (月)

年収の壁その① 「所得税の壁」

Q パート勤務で、所得税を支払わないために年収103万円を超えないよう調整して働いています。ニュースで「年収の壁」が変わると聞きました。どう変わるのですか?


A 2025年12月から所得税の非課税ラインが年収103万円から160万円に変更されます。今後、最大160万円までは所得税がかかりません。


年収の壁は大きく2つに分かれます。「税金の壁」と「社会保険の壁」です。今回の話は、「税金の壁」のこととなります。さらに、年収103万円の壁とは、所得税に関する壁のことです。年収がこの壁を超えると、所得税の負担が発生します。

2024年までの103万円の壁と所得税の関係は下図の通りです。(給与所得者の場合)

1_2

所得税の非課税ラインとなる年収103万円の内訳は、「①給与所得控除」と「②基礎控除」の合計となります。

手取り減少を懸念した働き控え緩和や、物価上昇が賃金に追いつかない背景から、パート・アルバイト労働者を中心に、より働きやすくするために2025年12月より変更となります。

①給与所得控除は、55万円の最低保証額から65万円に引き上げられました。2

②基礎控除は、合計所得金額に応じて改正されます。年収200万円以下であれば、最大95万円となります。5

上記より、年収200万円以下であれば、所得税非課税ラインは、

 給与所得控除額65万円 + 基礎控除95万円 = 160万円の壁 となります。

160万円の壁と所得税の関係は下図のとおりです。4


flairポイント!
以上より、2025年12月より所得税の非課税ラインは103万円→160万円に変更となります。その他の「年収の壁」(社会保険料の壁106万円・130万円など)も意識した働き方が必要になりますが、働き方の幅が広がったと前向きに考えて、世帯単位で相談して働き方を考えていきましょう。

※2024年までは、103万円以下の年収であれば、所得税は非課税かつ税法上の扶養控除の適用となります。2025年12月からは、年収123万円以下であれば税法上の扶養控除の対象となります。