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2022年9月 2日 (金)

新型コロナウイルス感染症の陽性者になったら

Q  のどに違和感があり、念のためPCR検査を受けた結果「新型コロナウイルス陽性」と判明し10日間の自宅療養をすることになりました。10日間休む時の給料はどうなりますか?また、同居家族は濃厚接触者となるのでPCR検査をしたところ陰性でした。健康観察期間5日間と言われ上司と相談し休むことになりました。その間同居家族の給料はどうなりますか。


 まずはそれぞれの就業規則で、有給の特別休暇制度がないか確認しましょう。新型コロナウイルスに感染された方は、ご加入の健康保険に申請することにより傷病手当金が支給されます。濃厚接触者で陰性だった方は、個別事案ごとに判断されますが休業手当が支給される場合があります。


【新型コロナウイルスに感染した場合】
新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当は支払われません。健康保険に加入されている方であれば、傷病手当金が支給されます。 具体的には、療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬日額の3分の2が支給されます。会社へ相談してみましょう。(市町村国保に加入の方はお住いの市町村役場へお問い合わせください。2022年(令和4年)9月末までの措置)
なお、感染の要因が業務に起因したものであると認められた場合には、労災保険給付の対象となりますので事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください。

【参考】傷病手当金の支給について、2022年(令和4年)8月9日以降に申請を受け付けたものについて、当面の間、新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給における臨時的な取扱いとして、医師の意見書の添付は不要とし、「療養状況申立書」または「HER-SYSの登録画面」や事業主からの当該期間、被保険者が療養のため労務に服さなかった旨を証明する書類などを添付することにより、保険者が労務不能と認めた場合、傷病手当金を支給する扱いとなりました。詳しくは協会けんぽへご相談ください。

 【濃厚接触者で陰性の場合】
濃厚接触者で陰性だった場合は、個別事案ごとに判断されますが、労務提供が可能であるのに、使用者の自主的判断で休業させた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払う必要があります。ただし、不可抗力※による休業の場合は、休業手当の支払義務はありません。

※ここでいう不可抗⼒とは、
① その原因が事業の外部より発生した事故であること
② 事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお 避けることができない事故であること
という要素をいずれも満たす必要があります。
例えば、自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合に、これを十分に検討するなど休業の回避について通常行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた時には「使用者の責に帰すべき事由による休業」として休業手当の支払いが必要となることがある。

会社が休業手当を支払ってくれない時は、労働者自らも申請できる国の支援策の「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」制度を活用しましょう。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
新型コロナウイルス感染症およびまん延防止措置の影響で休業させられた労働者が、休業手当の支払いを受けることが出来なかった場合、申請により支給される。

支給金額:休業前の1日当たりの平均賃金×80%×(各月の休業期間の日数-就業した
又は労働者の事情で休んだ日数)

問合せ先:新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金コールセンター
0120-221-276 (受付 8:30-20:00(平日)土日祝8:30-17:15)

*雇用保険に加入していないシフト制のアルバイトや日々雇用の方でも対象となる場があります。
*会社に金銭的な負担は生じません。
*労働者が支給申請や相談したことを理由に不当な扱いをすることは出来ません。


flairポイント! 
・休業期間中の賃金の支払いの必要性については、個別事案ごとに判断されます。休業中の規定がどのような扱いになっているのか会社の規定を確認しておきましょう。
・年休の取得理由は関係ないので、休業を年次有給休暇にあてることは問題ありませんが、年次有給休暇は原則、労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません。
鳥取労働局では、「新型コロナ感染症の影響による特別労働相談窓口」を開設し、相談を行っています。TEL0857ー22ー7000 8:30~17:15(平日のみ)

・陽性者の場合、ご自身がご加入されている生命保険で保険金や見舞金が出ることもあるようなので、ご自身が加入している保険内容を確認してみましょう。

 【参考】1_3


掲載内容は2022年8月時点でのものです。
最新の情報は、労働局のHPでご確認ください。
新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)