労働相談Q&A Feed

2020年12月22日 (火)

始業前(早出)出勤の労働時間性について

Q 事業主から仕事開始10分~15分前には職場に来るのが常識だと言われているので出勤しています。また、指示されていないにも拘らず自主的に早く出勤している場合もあります。このような場合、時間外手当は貰えるのでしょうか。


A 労働時間とは、行政解釈で「使用者(事業主)の指揮命令下に置かれている時間」とされています。早く出勤した時間について労働時間になるかどうかは、一般的に始業前の労働者の行為が事業主の指揮命令下に置かれたものと客観的に判断されるかどうかにより定まるものと解されています。指示があり早く出勤して仕事に必要な作業をしている、またはしなければ始業に間に合わないなどであれば労働時間として時間外手当の対象となると考えられます。


flairポイント!

・社長や上司に早出を命じられた場合→労働時間である(賃金支払義務あり)

・社員が勝手に早出し通常業務をした→原則として労働時間とならない(賃金支払義務なし)

※例外的に労働時間となる場合もある

 ☆近くに社長、上司がいて黙認していた場合などは黙示的な命令と評価されれば労働時間となります。ただし、近くに上司がいても通常業務を行っていなかった場合(雑談、メール、ネットの閲覧など)は労働時間となりません。

※通常業務には

・直接的に必要な業務と間接的に必要な業務 があります。

 間接的に必要な業務については

(以下 「三菱重工業長崎造船所賃金請求事件」判決より 最高裁が示した準備・後始末の労働時間性について)

作業着・保護具の着脱、 副材料・消耗品の受出し、散水、作業着・保護具の脱離など、業務に必要な行為は労働時間であると判示しています。

2020年11月27日 (金)

産休と育休は別物です

Q 半年契約のパートで勤務していますがこの度妊娠が判明しました。パートでも当然に産休・育休が取れると聞いたので、せめて子どもが1歳になるまでは休みたいと思っています。


A 当然に取得できるのは産休(産前産後休業)です。育休(育児休業)は働き方によっては取得できないことがあります。


まず、産休と育休は別物です。どちらも法律で定められている休業ですが、出産予定の女性労働者であれば誰でも取得できるのが産休で、一方で取得要件があるのが育休になります。「1歳になるまでは休みたい」というのは育休になります。

3_7産前休業 9/21~11/1   産後休業 11/2~12/27

ご相談者のように、半年契約などの期間を定めて雇用されている方の場合、下記①②の育休取得要件があります。

要件(※)
①同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること。
②子が1歳6か月に達する日までに雇用契約がなくなることが明らかでないこと。

育休は労働者からの申出が必要です。一定期間労働者の労務提供義務を消滅させる効果のある意思表示になります。申出時期は、休業を開始しようとする日の1か月前の日までが原則です。申出にあたっては書面での申出や添付書類が必要な場合もあるので、育休を取りたいと思ったら会社に手続等について聞いてみましょう。事業主は、要件を満たした労働者の育休申出を拒むことはできません。

ただし、以下のような労働者から育休の申出があったときは、事業主は労使協定によりその申出を拒むことができるとされています。

労使協定
①その事業主に継続雇用された期間が1年未満の労働者

②育休申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
③1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

もし、①~③に当てはまる働き方であれば、労使協定についても併せて会社に聞いてみましょう。


flairポイント!

出産の前後で休める産休と、その後に休める育休とは別物です。育休は働き方によっては取れないこともあります。

 

2020年10月13日 (火)

失業給付(基本手当)について

Q 1年間の期限付きのパートでスーパーマーケットで働いています。働き始めてから10か月が経過する頃に閉店となり、解雇されることになりました。  このような場合、雇用保険失業給付(基本手当)はもらえるのでしょうか。


A 雇用保険失業給付(基本手当)は離職理由が解雇や倒産などの場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が6か月以上あることが受給要件となります。
パートタイム労働者等の短時間労働者でも、

(1)週の所定労働時間が20時間以上であること
(2)31日以上引き続き雇用されることが見込まれること

の2つの条件を満たせば雇用保険の被保険者となります。 ご自身の被保険者期間と離職票の離職理由をご確認ください。


基本手当を受給する要件は、原則として離職の日以前2年間に、被保険者期間(※1)(雇用保険法第14条)が通算して12か月以上あり、労働の意思及び能力があるにもかかわらず職業に就くことができない状態にあることとされています。 また、ご質問のように、離職理由が解雇や倒産などの場合(特定受給資格者)や、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことなどやむを得ない理由で離職した場合など(特定理由離職者)は、離職の日以前1年間に、被保険者期間が6か月以上あることが要件となります。

※1 
離職の日から1か月ごとに区切っていた期間に、賃金支払の基礎となる日数(※2)が11日以上ある月、または、賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上ある月を被保険者期間1か月として計算。

参照:失業等給付の受給資格を得るために必要な「被保険者期間」の算定方法が変わります (離職日が令和2年8月1日以降の方)

※2
賃金支払基礎日数は、月給制で欠勤日の給与が減額される場合は給与が支払われた日数、欠勤しても給与が減額されない完全月給制の場合は歴日数です。休業手当の対象となった日や有給休暇日も含まれます。


flairポイント!  離職票の「離職理由」について

基本手当は、受給資格決定日から7日間(待期期間)を過ぎないと支給されませんが、離職理由が、

①正当な理由がない自己都合により退職した方は、5年間のうち2回までは待期期間経過後2か月
②自己の責めに帰すべき重大な理由で退職した方は待期期間経過後3か月

の給付制限を受けます。

参照:「給付制限期間」が2か月に短縮されます (離職日が令和2年10月1日以降の方)

このように離職理由によっては給付制限があるので、離職票を受け取る時には、離職理由を正確に記載してもらうことが重要です。

ただし、自己都合による退職であっても「正当な理由」とハローワークが判断した場合は、給付制限を受けない場合があります。

主なものとして、

◆健康上の理由(病気・ケガ)

◆やむを得ない家庭の事情(親族の看護など)

◆配置転換により通勤困難になったとき

◆事業所の移転・廃止・休業

◆採用当初の条件と実際の労働条件が著しく違うとき

◆上司・同僚などからの嫌がらせがあるようなとき

等があります。不明な時はハローワークに問い合わせてみましょう。

2020年9月30日 (水)

年次有給休暇の付与日数

Q 正社員として去年の9月1日に友人A、同年10月1日に私Bが入社しました。Aは6か月後の3月1日に有給休暇を10日付与され、更にその後、4月1日にも11日付与されました。私は4月1日に10日だけ付与されたのですが、付与日数が違うのはなぜですか。会社の就業規則では入社6か月後に10日付与、それ以降は4月1日を基準日として付与することとなっています。


A 使用者は、採用後6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤している労働者に対して最低10日の年次有給休暇を与えなければならなりません(労働基準法39条)。

労働基準法どおりであれば、Aさんは採用の6か月後の翌年3月1日に、Bさんは翌年4月1日に10日付与されることになります。更にその後、1年間継続勤務し8割以上出勤した場合に11日付与されますが、就業規則で採用の翌年度以降の基準日が4月1日と定められている場合は、Aさんは労基法より11ヶ月繰上げられた4月1日に、Bさんは繰上げられず10日付与となるため、AさんとBさんの付与日数に違いが生じることになります。


中途採用者に対する年次有給休暇を法律の規定通り付与すると、年次有給休暇の基準日が複数になるため、事務の簡素化等の観点から一定の要件を満たした場合に、全労働者につき一律の基準日を定めて年次有給休暇を与える斉一的な取扱いができるとされています。

  1. 斉一的取扱いにより法定の基準日以前に付与する場合、付与要件である8割以上の出勤について、短縮された期間は全期間出勤したものとみなすこと。
  2. 次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰上げた期間と同じ又はそれ以上の期間、法定の基準日より繰上げること。

 

相談のように、入社月による社員間の不公平感をなるべく軽減するためには採用時に10日を限度に基準日までの勤務日数に応じた日数の付与(10日を限度)や基準日を2回以上にするなど様々な方法が考えられますが、いずれの方法でも①②及び法定の付与日数を満たしていることが必要です。また、短縮期間は全期間出勤とみなします。

 

例1 中途採用者で基準日を統一する場合 

・基準日を4月1日に統一し、入社時に基準日までの勤務日数に応じた日数を付与

採用日         (8割以上出勤)         4/1  (8割以上出勤)  4/1             
    10日以内の中途採用時期に    11日発生         12日発生
    応じた年次有給休暇日数を付与

例2 中途採用者の基準日を2回(10/1と4/1)にした場合

・基準日が10/1(4/1~9/30に入社した人には10/1に10日付与)

4/1     7/1 (8割以上出勤)   10/1 (8割以上出勤)  10/1 (8割以上出勤)  10/1     
         採用日               10日発生          11日発生         12日発生

・基準日が4/1(10/1~3/31に入社した人には4/1日に10日付与)

       10/1 12/1 (8割以上出勤) 4/1 (8割以上出勤)  4/1 (8割以上出勤) 4/1       
                  採用日       10日発生        11日発生           12日発生

2020年9月 3日 (木)

変形労働時間制(1年単位)

Q 当社は季節ものの商品を製造する会社のため、季節によって繁閑の差が大きく、繁忙期には残業が多くなってしまいます。今後、「1年単位の変形労働時間制」を採用しようと思うのですが、どのような制度でどのようなことに注意すればよいのでしょうか。


A 1年単位の変形労働時間制では、季節などによって業務量の繁閑の差がある場合、それにあわせた労働時間の設定を行うことで、効率的に労働時間を配分できます。採用すると、1か月を超え1年以内の一定期間について、平均し1週間の労働時間が40時間を超えなければ、特定の日や週について1日及び1週間の法定労働時間を超えて労働させることができます。ただし、これを超えると残業代を支払う必要があります。また、特定された各日の労働時間は、労使の合意があったとしても対象期間の途中で変更することはできません。


採用されやすい業種

・特定の時季(夏季・冬季など)が繁忙期である業種

・年末が決算期に入るため、12月~1月が忙しい業種

要件

  1. 労使協定を締結し、労働基準監督署長に届け出ること     
    ①対象労働者の範囲 ②対象期間及び起算日 ③労働日及び労働日ごとの労働時間(特定期間を定める場合はその期間) ④労使協定の有効期間

  2. 就業規則等に定めること(労働者数によっては労働基準監督署へ届け出必要)

  3. 労働時間の長さの制限
    イ 対象期間の所定労働時間数…対象期間の労働時間を平均して、1週間当たり40時間を超えないように、各日・各週の所定労働時間を全期間にわたって定めなければならない。ただし、1ヶ月以上の期間ごとに区分した時は、最初の期間を除き各期間が始まる少なくとも30日前に各日の労働時間を定めてもよい
    ロ 1日及び1週間の労働時間数の限度 
     ①1日10時間、1週52時間以内とする
     ②対象期間が3か月を超える場合は、
      ・1週48時間を超えるのは連続3週以内
      ・3か月ごとに区切った各期間に1週48時間を超える週は3回以内に設定

  4. 対象期間中の労働日数の限度
    ・対象期間が1年の場合は280日
    ・対象期間が3か月を超え1年未満の場合は、280日×対象期間の歴日数/365日

  5. 連続して労働させる日数の限度…6日を限度(ただし特定期間(繁忙期)においては12日とすることができる)

2020年7月16日 (木)

変形労働時間制(1カ月単位)

Q 月初めと月末がとても忙しく9時間勤務や10時間勤務の日もあります。労働時間が8時間を超えたら時間外手当がつくと聞いたことがありますが、全く時間外手当が付きません。法的に問題は無いのでしょうか。


A 変形労働時間制を採用している可能性があります。入社時にもらった労働条件通知書や、就業規則※1があれば確認してみましょう。※1 ⇒以下に記載例掲載


労働基準法(第32条)で、労働時間は休憩時間を除いて1日8時間、1週間40時間(特例措置対象事業場は44時間※2)までと定められており、これを超えた場合は割増賃金を支払う必要があります。※2 労働者10人未満の商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業

変形労働時間制を採用していれば、業務の繁閑に対応して1日の所定労働時間を弾力的に配分することができます。ご相談者の場合、1カ月単位の変形労働時間制を採用している可能性があります。その場合、月初めと月末の忙しい日の所定労働時間を長く設定し、それ以外の日は所定労働時間を短くすることが可能となります。1日の所定労働時間を9時間、10時間と定めた日であれば8時間を超えていても、また週に40時間を超える定めをしていればそれを超えても割増賃金の対象とはなりません。ただし、1カ月単位の変形労働時間制の採用に当たっては以下について注意が必要です。

1. 所定労働時間の総枠

 

週法定
労働時間

月の暦日数

31日

30日

29日

28日

40
(44)

177.1(194.8)

171.4(188.5)

165.7(182.2)

160.0(176.0)

2. 1週平均の労働時間・・・40時間(44時間)以下 ⇒ 総労働時間÷(暦日÷7)

3. 休日・・・週1日または4週4休

4. 定(労基署への届出必要)または就業規則その他これに準ずるものへ記載
    ・・・各日(始業・終業時刻も)、各週の所定労働時間の長さを定めなければならない。


※1 就業規則への記載例

第〇条

1 所定労働時間は、毎月〇日を起算日とした、1カ月単位の変形労働時間制の採用し1カ月を平均し、1週間当たり40時間を超えない範囲において、次のとおり定める。

1日~15日 始業時刻 午前9時、終業時刻 午後4時

16日~末日 始業時刻 午前8時30分、終業時刻 午後6時30分

flairポイント!

変形労働時間制を採用し、あらかじめ法定労働時間を超える定めをしている日や週であれば時間外手当の対象となりません。その定めた時間を超えた場合と所定労働時間の総枠を超えた場合に、時間外手当が発生します。

2020年6月 1日 (月)

職場でのいじめ・パワーハラスメント

Q 上司の私に対する言動が、他の同僚と比べて、厳しく、同じようなミスをしても、私だけが叱られます。みんなの前で頻繁に罵声を浴びせられたり、個人的なことにも干渉してきます。会社に行くのがとても辛く夜も眠れません。私はパワーハラスメントを受けていると感じるのですが、どのように対応したらよいでしょうか。


A それが、いじめやパワーハラスメントであれば人格権侵害の不法行為となります。
まずは、次のような対応をしてみてください。
・上司から受けた具体的な事実・証拠(日時、内容等)を記録しておく。
・相手に自分が嫌な思いをしているということを伝える。
・信頼できる同僚や他の上司に相談する。
・会社にハラスメントの相談窓口があれば相談し、その対応措置を求める。
・会社の対応に期待できない場合は、労働局や弁護士など専門家に支援を求める。
・心身に不調がある場合には、医師の診断を受け診断書を提出して、会社の病気休暇や休職制度有給休暇をとるなどして心身の回復を図る。 


2020(令和2)年6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化され、パワーハラスメント防止措置が事業主の義務となりました (中小事業主は、2022(令和4)年4月1日から義務化/セクハラ等の防止対策は、2020(令和2)年6月1日より規模を問わず強化)。適切な措置が講じられていない場合には是正指導の対象となります

職場におけるパワーハラスメントとは、以下①~③の3つの要素全てを満たす必要があります。
 ①優越的な関係を背景とした言動
 ②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
 ③労働者の就業環境が害されるもの(身体的又は精神的な苦痛を与えられる等)

なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません

【職場におけるパワーハラスメントの代表的な言動の類型】 

①身体的な攻撃

暴行・傷害

②精神的な攻撃

脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言

③人間関係からの切り離し

隔離・仲間外し・無視

④過大な要求

業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの
強制・仕事の妨害

⑤過小な要求

業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた
程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと

⑥個の侵害

私的なことに過度に立ち入ること

(当てはまる行為の全てを網羅しているものではありません。)

パワハラの加害者は、被害者の名誉・プライバシーなどの人格を侵害する不法行為として、損害賠償責任を問われることがあります。また、労働契約法第5条では、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と定めています。使用者は、労働契約上、当然に安全配慮義務を負うことを規定したものです。「生命、身体等の安全」には、心身の健康も含まれています。したがって、使用者にはいじめ、パワハラ等の行為の防止策を講じる義務があり、これを怠った場合には、使用者も法的責任を問われる場合があります。

(以下 厚生労働省リーフレット「2020年6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化されます!」より抜粋)

事業主及び労働者の責務
以下の事項に努めることが、事業主・労働者の責務として法律上明確化されました。

【事業主の責務】
■ 職場におけるパワーハラスメントを行ってはならないこと等これに起因する問題(以下「ハラスメント問題」という。)に対する労働者の関心と理解を深めること
■ その雇用する労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう研修を実施する等、必要な配慮を行うこと
■ 事業主自身(法人の場合はその役員)がハラスメント問題に関する関心と理解を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うこと

【労働者の責務】
■ ハラスメント問題に関する関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に注意を払うこと
■ 事業主の講ずる雇用管理上の措置に協力すること

職場におけるパワーハラスメントの防止のために講ずべき措置
事業主は、以下の措置を必ず講じなければなりません(義務)

■ 事業主によるパワハラ防止に関する社内方針等の明確化と周知・啓発
■ 相談(苦情を含む)に適切に対応するために必要な体制の整備
■ 相談等があった場合の事実関係の迅速かつ正確な確認と適切な対応
■ 相談等事案に係るプライバシー保護や、相談等を理由として解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること

事業主に相談等をした労働者に対する不利益取扱いの禁止
事業主は労働者が職場におけるパワーハラスメントについての相談を行ったことや雇用管理上の措置に協力して事実を述べたことを理由とする解雇その他不利益な取扱いをすることは、法律上禁止されています。

flairポイント!
・客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
・証拠を記録しよう (いつ、どこで、誰に、何をされたか等)。
・一人で悩まず相談しよう。

2020年5月13日 (水)

退職時に制服代を請求された

Q 2年勤めた会社を退職することにしました。すると、会社で着用していた制服代金を請求されました。支払わないといけないのでしょうか。


A 制服等を個人負担させることについての労働基準法上の制約は特になく、制服代を労働者に負担させても すべてが違法になるわけではありません。
しかし、会社側は労働者に費用を負担してもらうためには、就業規則に定めをしておく必要があります。
また、労働契約の締結時にも明示義務あり、給料の支払い額や制服代の負担について書面に明記しないといけません。
したがって、就業規則に費用を負担させる根拠条文がないのなら、制服代金を請求することはできません。
もし、就業規則の変更により労働条件が不利益になる場合は、合理性と合意が必要です。


flairポイント!
・制服の貸与から費用負担へ変更をすることは、労働条件の変更となるので、原則、個別の同意が必要です。まずは就業規則を確認すること。

・仮に、就業規則が「制服は無償貸与」から「制服代5000円」といったように改正され周知されているのなら、制服代を負担させることができます。また、一度買取りさせた物を退職時に、一方的に返還を強いることは出来ません。

 

2020年4月 1日 (水)

賃金請求権はいつまで?

Q 退職してしばらく経つのですが、受け取っていない給与があります。
これから請求することはできるのでしょうか?


A 請求することが可能です。賃金請求権の消滅時効というものがあります。


20204月から賃金請求権の消滅時効が現行の「2年」から「3年」に改正されました。

未払賃金を請求できる期間が1年延長になります。

 賃金請求権の消滅時効が法改正により延長になったことを受け、気になるのは「既に生じている未払賃金についても3年の時効が適用されるのか」という点ではないでしょうか?

時効「3年」が適用される賃金は「施行日以後に賃金支払日が到来する賃金請求権について、新たな消滅時効期間を適用する」となっています。

時効の起算点は一般的に、「具体的に権利が発生したとき」つまり各「賃金の支払い日」となります。
まずは請求することになりますが、請求したことを証明するために、内容証明などの書面で請求する必要があります。


flairポイント!
よって2020年4月時点から未来に向かって生じる賃金が3年の消滅時効の適応ということになります。

※退職金請求権については現行のままの5年の時効です。

 

2020年3月19日 (木)

新型コロナウィルス関連の休暇の取り扱いについて

Q 微熱があり、職場にそのことを伝えたところ、「新型コロナウィルスじゃないよね?有休を利用してしばらく休んで。」と指示されました。
有休も残りわずかなので使いたくないのですが、どうすれば良いのでしょうか。


A 年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません。
今回のように微熱があるだけでは、新型コロナウィルスへの感染が疑われる状態ではなく、また労働者としても労務提供が可能である中で、使用者の自主的判断で休業させられる場合は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に基づき、使用者は労働者に対し休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払うことになります。
有休使用について、一度使用者と話し合われてはいかがでしょうか。


厚生労働省は企業(労務)の方向けQ&Aにおいて「新型コロナウィルスに関連して労働者を休業させる場合、欠勤中の賃金の取り扱いについては、労使で十分に話し合っていただき、労使が協力して、労働者が安心して休暇を取得できる体制を整えていただくようお願いします。」と回答しています。

 参考:新型コロナウィルス感染症に関するQ&A (厚生労働省)

     休業について (みなくる通信2019年6月)

 

flair鳥取労働局では、「新型コロナ感染症の影響による特別労働相談窓口」を開設し、相談を行っています。

 詳細:鳥取労働局 【新型コロナ感染症の影響による特別労働相談窓口のご案内】