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2026年3月13日 (金)

スポットワーク(スキマバイト)をするときの注意点

  スポットワーク(スキマバイト)をするときの注意点

 
Q 空いた時間に働ける「スポットワーク」をやってみたいのですが、どんなことに注意したらいいのでしょうか?


A スポットワークは、仲介事業者がアプリ上で求人情報を公開し、労働者がその中から希望する仕事に応募する仕組みです。実際に働く際には雇用契約が結ばれるため、労働基準法など労働関係法令が適用されます。雇用契約が成立する時期、労働条件の明示内容、解約(キャンセル)に関する取り決めなどの点について確認しておきましょう。


  スポットワークとは、短時間・単発で働く柔軟な働き方のことで、「スキマバイト」や「単発バイト」と呼ばれ、働き手が自分の都合に合わせて、1日単位や時間単位で仕事を選び、就労するスタイルのことを言います。

<特徴>

・短時間・単発の就労:1日だけ、数時間だけ

・柔軟な働き方:学生、主婦、副業希望者などが、自分のスケジュールに合わせて働ける

・スマホアプリで簡単にマッチング:面接がなく先着順で就労が決定する

<企業側のメリット>

・急な欠員や繁忙期に、人員を確保することができる。

・面接をする手間、必要な時だけ人材を雇用することで、固定人件費を抑えられる。

 
【スポットワークの基本的な仕組み】

 スポットワークとは、雇用仲介を行う事業者(以下「スポットワーク仲介事業者」)のアプリを用いて雇用主が求人情報を掲載し、その求人にスポットワーカー(労働者)が応募することで、面接等を経ることなく短時間にその求人と応募がマッチングし、仲介事業者が賃金の立替払いを行うものです。短時間・単発の就労を内容とする雇用契約が多く、スポットワーカーは雇用主と直接雇用契約を締結することになります(スポットワーク仲介業者とは労働契約を結ばず、派遣契約でもありません)。

 
【労働契約締結時の注意点】

1.労働契約の成立時期と労働条件の内容

スポットワークは、面接等を経ることなく先着順で就労が決定することが多く、別途特段の合意がなければ、雇用主が掲載した求人に労働者が応募した時点で、労使双方の合意があったものとして労働契約が成立すると考えられています。個別の具体的な状況により判断が異なる場合もありますので、どの地点で労働契約が成立するのかを把握しておきましょう。

また、就業場所・業務内容・就業時間・雇用形態に関することなどの労働条件は、スポットワークでも明示しなければなりません。よって内容を書面で確認しましょう(PDFやアプリでの電子的明示も可)。

2.解約(キャンセル)に関する取り決め

 労働契約成立後に事業主の都合で、丸1日の休業又は仕事の早上がりをさせることになった場合は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」となるので、原則1日当たり平均賃金6割以上の休業手当の支払いが必要となります。

なお、休業手当(解約・キャンセル)の考え方については、スポットワーク協会「スポットワークサービスにおける適切な労務管理へ向けた考え方」をご参考ください。スポットワーク協会リーフレット.pdf

 【賃金および労働時間の変更時の注意点】

 予定していた労働日や労働時間の変更を、雇用主の都合で一方的に変更することはできません。労働契約を変更する場合は労使双方の合意が原則です。

また、予定した労働時間を超えて労働した場合は、割増賃金を支払うなど実際の労働時間によって賃金が支払われなければなりません。

 【その他の注意点】

スポットワーカーも労災保険の適用対象です。労働災害が起こった際は労災保険の給付を受けることができます。よって雇用主はスポットワーカーに対しても労働災害を防止するための措置を講じなければなりません。

さらに、雇用主はハラスメント防止対策も講じる必要があります。セクハラやパワハラなどの相談窓口の設置や周知が義務付けられています。


flairスポットワーカーにも様々な労働関係法令が適用されます。「1日のことだから我慢しよう」、「スポットだからいつでもキャンセルできる」というものではありません。

  confident労使双方がルールを守った働き方・働かせ方をしましょう。

2026年2月20日 (金)

離職票が届かない場合の失業給付の仮手続き

   離職票が届かない場合の失業給付の仮決定手続き

Q  正社員として働いた会社を退職しました。失業給付を受給したいので会社へ離職票の作成を依頼しましたが、退職して20日以上経っても未だに離職票が送られてきません。どうしたらよいでしょうか。

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A 失業給付の申し込みには原則、離職票が必要です。会社に離職票の発行を依頼すると、退職後2週間前後で手元に届くのが一般的です。しかし、事業所による手続きの遅延や郵送の遅延などにより手元になかなか離職票が届かない場合は、退職日の翌日から12日目以降であれば、ハローワークで「受給資格の仮決定手続き」ができます。

この手続きをすると、後日離職票が届いた際に、仮決定手続きをした日までさかのぼって受給資格があったとみなされるため、離職票が届いてから手続きするよりも早く失業給付を受給できます。

まずは「離職票が届かず失業給付の受給手続きができない」と、住所を管轄するハローワークへ相談しましょう。

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事業主は、労働者が退職等により雇用保険の被保険者ではなくなった場合、その事実があった日の翌日(離職日の翌々日)から10日以内に雇用保険被保険者資格喪失届をハローワークに提出しなければなりません。また、失業給付の受給に必要な離職票は、労働者から発行希望がある場合や、退職時点の年齢が59歳以上の労働者には必ず作成しなければなりません。(退職後でも離職票の作成依頼は可能)

離職票が届かない場合の仮決定手続きは、「とりあえず失業給付を受給する意思を伝えるため」のものです。退職日の翌日から12日目以降であれば、ハローワークで手続きが可能です。離職票の提出で本決定となり、手続きした日までさかのぼって失業給付の受給資格が決定されます。給付制限がない場合は、最初の認定日から1週間程度で失業給付が支給(指定口座へ入金)されます。

 例)令和8年2月5日付退職の場合→令和8年2月17日から仮手続き可能

2/5 2/6 2/7 2/8 2/9 2/10 2/11 2/12 2/13 2/14 2/15 2/16 2/17
退職日 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 9日目 10日目 11日目 仮手続き可能


・離職票提出後の「受給資格の決定」がスムーズに進む。

・予め仮決定手続きをすることで、離職票が届いてからの手続きに比べ失業給付の受給までの期間が短縮できるため、安心して求職活動に専念できる。

・失業給付の受給手続きが遅れると、所定給付日数のすべてを受給できなくなることがあるが、仮決定手続きをすることで受給期間(原則離職の日の翌日から1年間)の確保ができる。

(受給期間を過ぎると給付日数が残っていても失業給付は支給されません。)

 ★ハローワークで仮決定手続きを希望する際には、以下の2つを窓口で伝えましょう。

 ・既に会社へ離職票の発行を依頼しているがまだ手元に届いていないこと。
 ・ハローワークへの相談が退職日の翌日から12日目以降であること。

 <仮決定手続きに必要なもの>

・身元確認書類(必ず持参:マイナンバーカード等)
・写真2枚(後日でもよい:マイナンバーカードの毎回提示により省略可能)
・本人名義の通帳またはキャッシュカード(後日でもよい)
・退職した日がわかる書類(離職日を確認するため:準備できなくても手続き可能)
 などが必要となるので、ハローワークで確認しましょう。

 

<受給資格の仮決定手続き後の流れ>

  • 仮決定手続きの際、必要書類を受け取り、今後の流れの説明を受ける。
    →仮決定手続きをした日から「通算7日間の待期(給付対象外)」がスタートする。
  • 説明された雇用保険説明会へ出席し、求職活動をした上で、指定された認定日に出席する。
    →仮決定手続きであっても、通常の失業給付と同様に求職活動の実績が必要です。

 

★仮決定手続き後に離職票が手元に届いたら、速やかにハローワークへ提出しましょう!

 仮決定手続きから4週間後(28日後)の認定日までに離職票を提出すること。
→認定日までに離職票の提出がされない場合は、認定が保留され、失業給付の受給開始が遅れる場合があります。

★なかなか離職票が届かない場合で認定日が迫っているときは、前職の会社に再度問い合わせると ともに、その旨をハローワークに相談しましょう。

  参考「受給資格の仮決定手続きのご案内」兵庫労働局

 注意☝
退職日について会社と労働者との意見が異なる時は、改めて受給手続きが必要となる場合があるので、詳しくはハローワークに相談しましょう。

2026年1月22日 (木)

強制的年次有給休暇の取得

Q 観光施設の売店に週5日パートで入社し1年目です。「最近観光客も少なく閑散期だから休んで。その日は有給休暇で処理しておくね。」と使用者から一方的に言われました。他の先輩に聞くと、以前からそういうやり方のようです。自分は有休が少ないので自分の取りたいときに使いたいと思うのですが、従わないといけないのでしょうか?


A 「閑散期だから休んで。」と使用者から言われたのであれば、会社都合の休業と判断され休業手当として平均賃金の6割以上の支払いが必要となります。年次有給休暇は労働者の権利なので、使用者が勝手に使うことは出来ません。「使いたいときに使うので休業手当で処理して欲しい。」と伝えられてはいかがでしょう。


年次有給休暇(労働基準法第39条)とは、労働者の心身の疲労を回復することを目的とし、毎年一定日数付与され、給与を受け取りながら休暇を取ることができる制度です。】

年次有給休暇の取得は、法律上の権利なので「権利を行使する」かどうかは権利者である労働者が自由に決めることができます。「有給休暇を取得せずに、後に取っておく」という選択をすることもできます。また、どのような理由でも取得できその理由を問われることはありません(年休自由利用の原則

したがって、労働者の意に反して、有給休暇の取得を使用者が強制したり、労働者の同意なく、勝手に年休扱いとして残日数を減らすことは問題です。

一方使用者には、年10日以上年休が付与される労働者に対して最低年5日以上の確実な取得が義務付けられています。しかし、使用者が時季を指定できるわけではなく、労働者の希望を聞き、可能な限り尊重することが求められます。

また、使用者には年次有給休暇の計画的付与も認められていますが、この制度は就業規則や労使協定により前もって決めておく必要があります。閑散期だからと急に使うことは出来ません。

〔賃金の違いについて〕

年休で処理した場合と休業手当で処理した場合で、もらえる賃金は異なります。

【年休で処理した場合】
  以下のいずれかで支払うことが可能で、企業がどの方式を採用しているかは就業規則で確認しましょう。
   ①通常の賃金・・・その日の所定労働時間を働いたと仮定した賃金
   ②平均賃金・・・過去3カ月の賃金総額 ÷ 日数
   ③標準報酬日額(労使協定が必要)・・・社会保険の標準報酬日額を基準に算定

 【休業手当で処理した場合】
   平均賃金(過去3カ月の賃金総額 ÷ 日数)の6割以上の支払い


flairポイント!
休業手当で処理する場合は、年休は減りませんが、その日の賃金は6割程度になります。一方年休で処理すると、年休は減りますが、その日の賃金は通常の賃金相当が支払われます。ご自身でよく検討して、使用者に伝えてみましょう。

2025年12月 1日 (月)

時間帯ごとに時給が変わる場合の割増計算

Q 17時から22時までパート勤務をしています。基本時給は1,030円ですが会社の規程で18時以降は1,100円になります。時々23時まで勤務することがあり、22時から23時までの1時間は深夜割増がついているのですが1,030円で計算をされています。会社に聞くと、基本時給での計算だから問題ないと言われたのですが。


A 労働条件通知書や就業規則などで、22時以降の時給について記載があればそれで計算されます。記載が無ければ、深夜労働が発生した時間帯で決まっている時給で計算されるので差額の請求が出来ます。ご自身の労働条件通知書や会社の就業規則を確認してみて下さい。


時間外、休日及び深夜に労働させた場合は、法律で定められた割増賃金を支払わなければなりません。1法律により1日8時間、1週40時間を超えて働かせた場合は25%以上、深夜時間帯(午後10時~翌朝5時)に働かせた場合は25%以上の割増賃金が発生します。

 ご相談の場合、17時から22時までの計5時間は法定8時間以内の労働なので割増賃金は付きませんが、それぞれの時間帯で決まっている時給が支払われます(1,030円+1,100円×4)。

22時からは深夜労働となり、労働条件通知書や会社の就業規則で記載があればその時給(1,030円×1.25)で、記載が無ければ深夜労働が発生した時間帯で決まっている時給(1,100円×1.25)をもとに割増賃金計算をする必要があります。

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flairポイント!
時間帯ごとに時給が変わる働き方の場合は、就業規則や労働条件通知書などでどのように記載されているか確認をしましょう。

2025年10月31日 (金)

年収の壁その② 「社会保険の壁」

Q 現在パート勤務をしており所得税や社会保険料を払わないように調整して働いてきました。年収160万円まで所得税が非課税になると聞き、もう少し労働時間を増やそうと思うのですが、社会保険は加入しなくて良いのでしょうか?


A 年収が106万円や130万円を超えて働くと、社会保険に加入しなければなりません。


年収の壁には「税金の壁」と「社会保険の壁」があり、今回の話は、「社会保険の壁」のこととなります。社会保険の壁には「106万円の壁」と「130万円の壁」があります。

ちなみに2025年に「社会保険の壁」の大きな変更はありませんが、今後大きな変更が予定されています。

「106万円の壁」とは?
現在、社会保険の加入対象となるパート(アルバイト)従業員は「賃金が月額8.8万円以上あること」が要件の一つであり、これを年収に直すと106万円となります。  

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「130万円の壁」とは?
年収が130万円(60歳未満)を超えると、家族の被扶養者ではなくなります。社会保険に加入する条件を満たせば、自身が社会保険の被保険者になります。また、加入条件を満たさなかったり自営業などの場合は国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。

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年収106万円以上は、従業員数に応じて社会保険に加入する壁(2025年現在)

年収130万円以上は、扶養の範囲から外れ自分自身が社会保険に加入する壁

※なお、2025年(令和7年)10月1日以降は、被保険者に生計を維持されている年齢19歳以上23歳未満の親族は「社会保険の壁」が150万円未満に変わりました。(年齢はその年の12月31日時点で判断)

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flairポイント!

今までは103万円の壁さえ意識していれば、所得税は非課税で社会保険に加入する必要もありませんでしたが、法改正で所得税の壁が103万円から160万円に引き上げられたことによって、所得税の非課税ライン(年収160万円)まで働くと、自身の社会保険に加入する義務が生じ、社会保険料を負担することになります。

社会保険に加入すれば将来の年金(厚生年金)が増え、医療保障も手厚くなります。長期的には手取り以上の価値があるかもしれません。「壁」を「壁」と考えず、世帯単位でよく相談して働き方を考えていきましょう。

2025年9月29日 (月)

年収の壁その① 「所得税の壁」

Q パート勤務で、所得税を支払わないために年収103万円を超えないよう調整して働いています。ニュースで「年収の壁」が変わると聞きました。どう変わるのですか?


A 2025年12月から所得税の非課税ラインが年収103万円から160万円に変更されます。今後、最大160万円までは所得税がかかりません。


年収の壁は大きく2つに分かれます。「税金の壁」と「社会保険の壁」です。今回の話は、「税金の壁」のこととなります。さらに、年収103万円の壁とは、所得税に関する壁のことです。年収がこの壁を超えると、所得税の負担が発生します。

2024年までの103万円の壁と所得税の関係は下図の通りです。(給与所得者の場合)

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所得税の非課税ラインとなる年収103万円の内訳は、「①給与所得控除」と「②基礎控除」の合計となります。

手取り減少を懸念した働き控え緩和や、物価上昇が賃金に追いつかない背景から、パート・アルバイト労働者を中心に、より働きやすくするために2025年12月より変更となります。

①給与所得控除は、55万円の最低保証額から65万円に引き上げられました。2

②基礎控除は、合計所得金額に応じて改正されます。年収200万円以下であれば、最大95万円となります。5

上記より、年収200万円以下であれば、所得税非課税ラインは、

 給与所得控除額65万円 + 基礎控除95万円 = 160万円の壁 となります。

160万円の壁と所得税の関係は下図のとおりです。4


flairポイント!
以上より、2025年12月より所得税の非課税ラインは103万円→160万円に変更となります。その他の「年収の壁」(社会保険料の壁106万円・130万円など)も意識した働き方が必要になりますが、働き方の幅が広がったと前向きに考えて、世帯単位で相談して働き方を考えていきましょう。

※2024年までは、103万円以下の年収であれば、所得税は非課税かつ税法上の扶養控除の適用となります。2025年12月からは、年収123万円以下であれば税法上の扶養控除の対象となります。

2025年8月29日 (金)

有給休暇の買取はしてもらえるのか?

Q 1年で使い切れなかった有給休暇は翌年に繰り越すことが出来るが、前年の使い切れなかった有給休暇が消滅してしまうなら買い取ってもらえないのでしょうか?


A 労働基準法では原則として有給休暇の買取は認めていません。


「有給休暇の買取が原則認められない理由」

本来有給休暇は、従業員が安心して休養をとり、心身の疲労回復を目的としているので買取にしてしまうと、法の趣旨に反してしまう為法律では認められていません。

 
使い切れなかった有給休暇は翌年に限り繰り越すことができ、新たに発生した有給休暇に加算されますが、さらに1年使わなかった分は繰越できず消滅します。
※有給休暇の時効消滅は2年

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例外「買取が認められる場合がある有給休暇」

      1)法定基準を上回る有給休暇
  法律で定められた日数を上回わる部分の買取は認められています。

例)2年半務めた場合の法定付与日数は12日ですが、就業規則で18日分の有給休暇を与えている場合、12日を超えた最大6日分が買取の対象となります。

2)時効となる有給休暇
2年経過して時効消滅してしまう有給休暇の買取は認められています。

3)退職で無効になる有給休暇  
従業員が退職した時に使い切れずに残った有給休暇は認められています。

 

有給休暇の買取は、労使双方の合意によるもので会社独自の裁量で行われます。従って、必ず有給休暇の買取が認められるわけではないので注意が必要です。

注意点

労使双方の合意が必要:会社には有給休暇の買取義務はありません。あくまでも有給休暇の取得を阻害しない範囲であれば、例外として認められる場合があるということです。

◎社会保険料や所得税の計算:買取で支払われる金額は、給与と同様に扱われるので社会保険料や所得税が課されます。

買取の予約はできない:あらかじめ買取を予約することに、有給休暇の取得を認めない意図があると判断された場合には、違法となります。

 


flairポイント!
有給休暇の買取は、制度の趣旨から認められていません。例外であったとしても労使双方の合意が必要です。制度を理解したうえで要望されることをお勧めいたします。

 

2025年7月30日 (水)

退職給付金とは

Q 今後、自己都合退職しようと思っています。次の就職先を決めておらず、当面の生活費が心配です。SNSで調べると、「退職給付金」という制度があり、その受給を手助けしてくれるサービスを見つけました。サービスの利用料金は様々でしたが、自分で手続きするよりも数百万円も多く受給できると記載されていました。読み進めていくと、会社や医師との受け答えのポイントを教えるとか、不正受給にはあたらないという記載もあり、口コミも高評価でした。自己都合退職でも正当に数百万円も受給できることを信じてもよいのでしょうか。


A SNS上では、退職に伴い社会保険制度から給付を受けることができる「失業給付(基本手当)」「再就職手当」「教育訓練給付」「傷病手当金」などを総称して「退職給付金」と用いているサイトもあります。この「退職給付金」という言葉は、法律で定義された名称ではありません。これらの給付金を受給するには、定められた条件を満たす必要があり、手続きをする人によって受給額が変わることはありません。体調不良や手続きが難しいという理由で、有償のサービス利用を検討される場合は、サービスの内容を十分に確認したうえで利用しましょう。「誰でも数百万円も受給できる」とか、「先ずは病院で指示通りの受け答えをして診断書をもらう」、「退職給付金が必ず28ヵ月分もらえる」などの記載がある場合は、制度を悪用したサービスの可能性があるので注意が必要です。


【退職した後で受け取れる主な給付金】

退職後の生活の安定や再就職支援を目的とした主な給付金の種類と支給条件は以下のとおりです。

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SNS上の「退職後の給付金が最大28ケ月分受給できる」は、傷病手当金+失業給付を合算することで理論上は可能ですが、誰もが該当するものではなく、協会けんぽやハローワークが受給条件を満たしたと認めた場合に限ります。また、「病院や会社への受け答えの指示」に従うことにより、事実とは異なる申請を行った場合は、不正受給と判断される可能性があります。

 

【誤った給付金の申請をしないための対策】

・すべての方に一律に高額な給付がされる制度はありません。適切な給付金を活用する為に、情報をうのみにせず、具体的な給付金名や内容を確認しましょう。

・ご自身の現在の状況に応じた給付金の種類について全国健康保険協会(協会けんぽ)やハローワークなどの公的機関に直接相談しましょう。

・給付金受給のサポート事業者と契約する前に、クーリングオフ制度や返金条件を確認しましょう。

2025年7月 1日 (火)

職場における熱中症対策の強化について

Q 職場での熱中症対策が義務化になったのですが、会社としてすべき対応は何かあるのでしょうか。熱中症対策の強化ついて詳しく教えてください。


A 2025年6月1日より、職場での熱中症対策が義務化されました。これは改正労働安全衛生規制によるものです。熱中症による死亡災害の多発を踏まえた対策の強化としての取り組みのことです。

事業主には、熱中症の恐れのある労働者の早期発見と状況に応じた迅速な対処により「体制の整備」「手順作成」「関係者への周知」が義務付けられています。

事業主は対策を怠った場合、‘‘安全配慮義務違反”と見なされ罰則が科せられる可能性があります。


対象となる作業はWBGT値(暑さ指数)28度以上または気温31度以上の環境下で、連続1時間以上または1日4時間を超えて実施されることが見込まれる場合です。

(*WBGT値とは熱中症のリスクを示す指標のことで暑さ指数とも呼ばれています。気温だけでなく湿度や輻射熱(地面からの照り返しなど)も考慮して計算される数値のことです。この数値を超えると熱中症のリスクが高まります。)

<義務付けられる内容>

*体制の整備:熱中症の兆候を早期発見するための体制を整備
*手順作成:重篤化を防ぐための応急措置や、医療機関への搬送の手順の作成
*関係者への周知:体制の整備や手順について関係者への周知

<熱中症対策の具体例>

*作業環境の管理・・作業時間の短縮や冷房の設置、休憩場所を整備する
*作業の管理・・水分補給や服装の指導、作業時間の短縮など
*その他・・健康管理指導や熱中症に関する教育や訓練の実施など

熱中症と疑われる従業員を早期に発見して、適切な措置を行う連絡体制や体調の急変時等の対応をあらかじめ定めておくことが大切です

参考 「職場における熱中症対策の強化について」厚生労働省


flairポイント

こまめな水分補給や休憩、服装など身体のサインにも注意して熱中症を予防しましょう。万が一の際の手順マニュアルなども準備しておくことも大切です。

日頃から熱中症対策を講じるよう職場全体で心がけ、分かりやすい場所への掲示など周知しておくことも重要です。

2025年5月23日 (金)

自己都合退職時における失業給付の給付制限期間の見直し(1ヶ月へ)

Q 2025年(令和7年)4月以降に、自己都合で退職した場合、雇用保険の失業給付の待期期間が1か月に短縮されると聞きましたが、どういうことでしょうか?


A 2025年(令和7年)4月以降に自己都合退職した場合、失業給付の給付制限期間は「2カ月」から「1カ月」に短縮されました。ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合は、給付制限が3か月となります。

また、離職前1年以内に教育訓練等を受講した場合は、給付制限が解除され、待期期間後すぐに失業給付を受給することができるようになりました。


失業した人が安定した生活を送りながら、一日も早く再就職するために支給される雇用保険の失業給付は、7日間の待期期間の後、これまで自己都合で退職した場合は2か月間の給付制限がありましたが、2025年4月1日からは1か月間に短縮されました。

ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合で退職をした人は、待期期間とその後の3か月間、失業給付が支給されないというルールは、これまでどおりです。また、自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇(重責解雇)された場合も、給付制限は今までどおり3か月間です。

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なお、2025年4月以降は、リ・スキリング(=学び直し)のために教育訓練等(※)を受けた(受けている)場合、給付制限が解除され、7日間の待機期間後直ちに失業給付を受け取れるようになりました(2025年4月1日以降に受講を開始したものに限る)。

 
(※)給付制限が解除される教育訓練等

① 教育訓練給付金の対象となる教育訓練 

教育訓練給付制度 検索システム|厚生労働省
② 公共職業訓練

 ハローワークに相談

③ 短期訓練受講費の対象となる教育訓練 
  ④ ①~③に準ずるものとして職業安定局長が定める訓練

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